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RSY栗田さんからの報告 岩手・宮城内陸地震〔7報〕

栗田です。お疲れ様です。

岩手・宮城内陸地震への対応のなかで、「ボランティアが拒否されている」と
いったニュアンスが広がっていることに懸念しておりましたが、元来被災地に
ニーズが存在しないはずはありません。

現地では、地域性を鑑みつつ、掛け違えたボタンをちょっとずつ戻していくような
丁寧な作業を通して、ようやく方向性が見えてきたとのことです。

具体的には、ボランティア相談窓口の設置や避難所でのボランティア受け入れが
決定されたようです。

地震当日より今日まで休みなく尽力されている地元社協や宮城県社協、そのほか
地元ボランティア連絡協議会も少しずつ外部に力を借りつつ、様々なニーズに対応
されていきたいとのことです。

これまでのご報告の通り、地震翌日から浦野を派遣しておりますが、ここに来て
ようやく光がみえたことから、今回の報告は少々長くなっています。

皆様には大変恐縮ですが、どうか思いの丈を汲み取っていただければ幸甚です。

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○今日の動き
・ニーズ対応の体制づくり、在宅者支援・避難所での活動メニューの検討
・個別訪問への同行

○社会福祉協議会の動き
1.重点地区での個別訪問(花村地区・栗駒文字地区)

[花山地区]
・食欲無く「元気になるから」と薬だけは服用し、先日嘔吐。体調を崩しつつある男性。

断水のため入浴もしておらず、施設への一時入所を勧め、合意を得られたため再訪問
したところ、「やっぱり大丈夫。しばらくここにいる」と断られる。

遠方の家族は頻繁に来れないため、ご近所へ見守りをお願いしたいが、返って迷惑を
かけるからと気兼ねしている。
健康管理等含めた見守りを保健師につなぐ。

[栗駒文字地区]
・全般的に疲労が目立つ。
不眠、声のふるえなどのストレス症状あり。

断水のため入浴できない、洗濯ができないとの声も出ている。
個別支援として、入浴・洗濯等ための移動支援が急務。

・「黄紙が貼られているが、自分の家はどの程度まで大丈夫か?これからどう対
処すればよいか?」との声あり。

地元の建築士がボランティア登録しているため、随時対応していく予定。
これらのニーズは他でも考えられるため、今後黄色・赤紙の対象家屋には
「家の相談会」などの支援が必要。

またこれについては、ボランティアの活動範囲も検討の必要あり。
対応については行政に確認する。

※個別訪問によるニーズ調査は、ケアマネ・ヘルパー・保健師など、生活援助技
術の専門性を持った人でなければ、拾いきれない部分が多い。

「見守りや元気付け」の部分では地域住民やボランティアで十分対応できるので
これらの役割分担を区別して考える必要がある。

※赤・黄紙家屋のボランティア対応じついて→県社協より「過去の被災地では、黄
紙までは活動可能範囲に入れたという実績あり。」と情報提供。

行政と調整のうえ、栗原市の方針を確認。

2.自主避難所への常駐職員配置
・清掃、ごみ分別、話し相手、訪問者対応スペースと居住者の部屋わけ、保健師
による健康・心の相談、トイレの衛生管理・使用時のルール化(断水のため)、
洗濯にいけない方の移動支援(コインランドリーまで送迎)、自衛隊による入浴

サービス
・高齢者同士、歌をうたったり、自由に横になって話したりと自分たちのペース
で暮らせている様子。

しかし、今まで「自分たちでがんばってやるから」と言っていた方々が「手伝ってもらって助かった。
おかげでゆっくりできる」と社協職員に身を委ねるようになってきた。
相当な疲れがたまっているように思われる。

これまでの社協の時間をかけた丁寧な信頼関係づくりが、「頼んでいいんだ」と
いう安心感をあたえ、心身ともに皆さんの負担を少しずつ軽減していっている。

3.一般避難所での支援体制作りの調整

4.地域ボランティア団体への活動協力依頼
・市社協に登録している地元ボランティア53ボランティア団体に対し、支援協力
を依頼する文書を送付。

・6月24日(火)13:30~緊急ボランティア会議を開催予定。
被災者の生の声などを中心とした現状の共有と、自分たちにできる支援についての
具体的なメニュー、スケジュールを検討。

地元主体で、息の長い支援を行うための体制づくりを目的とする。


○被災者の声(花山地区個別訪問より/NPO愛知ネット・南里さん報告)
■80代女性
井戸の水を使っている。
膝がずっと悪いけど、食べ物は訪問販売の人が来てくれた分があるので大丈夫。

地震があったときは、家の中にいて、柱を支えにしていた。
(家の中にいた理由は)外にでたって同じことだと思ったから。
水槽が割れて水浸しになったけど、物が落ちたりはしなかった。

■70代女性
今回の地震で犠牲になった方を知っている。
旦那さんと逃げていたんだけど、手が離れてそれっきりみたい。
その人が戦争のときにお母さんに連れられて歩いていたのが目に焼きついている。

たまねぎをたくさん作っているので、お向かいの家の方にいつも分けている。
その方には井戸の水を分けてもらったりしている。

子供たちに、母の日に自転車をプレゼントしてもらった。朝は畑をして、昼はお
茶飲み会がたくさん(5箇所)ある。

■90代女性
とても怖かった。

■50代女性
家の中の片付けは残ってるけど、疲れた。
片付けのお手伝いはいらない。おいおいおやっていくと思う。
余震が怖い。
90代の女性はデイサービスに行くようになってからよくしゃべるようになった。

■70代の夫婦
給水車やお風呂のある藍の館まで、行くことが大変。
いつも揺れているような感じがする。

水に困っていて、何よりありがたいもの。
地下水があるけど、濁っている。
でも、以前の暮らしに比べれば・・・と思って、お風呂に使っている。
裏に木がせまっている。
それで、自分の家と隣の家は、雨が降ったら危ないよと言われている。

■70代女性
要介護者の夫がいる。
今、夫は入浴しに連れて行ってもらっている。
片付けと介護と時々来る余震のせいで眠れないときもあり、疲れた。
こうやって皆さんが何か持ってきてくださったりするし、やっていられるのは、みなさんのおかげです。

■80代女性
息子と暮らしている。
地震があったとき、家の中にいた。
コタツが丈夫だからということで、コタツにいた。
水槽が割れて、水浸しになった。
水は井戸水を使っている。

○6月20日(金)の活動予定
・個別ニーズ対応
・重点地区での訪問活動の継続
・避難所への社協職員配置(行政との調整がつき、20日より3箇所全ての避難所
に社協職員を配置予定)
・洗濯、入浴の具体的な移動支援の検討・実施(予定)など

○今後の震つな・Jネット派遣スタッフ体制について
・浦野(RSY)/6月20日(金)夜名古屋に戻り、22日(日)夜~24日(火)
夕方まで。

・南里(NPO愛知ネット)/~22日(日)まで。以後は調整

・戸口(Jネット)/6月20日(金)仙台入り~23日(月)朝まで。
※現地の様子を加味しつつ、24日(火)で一旦の派遣を終了する予定。

○浦野所感
現在被災地では、避難所での屋台(たいやきなど)や自主的なボランティアセン
ターの設置など、独自に活動するボランティアが少しずつ増えてきた。

これらの外での動きが刺激となり、また、社協も徐々に落ち着いてきたことで、相互に情
報交換や連携をなどを行う姿勢が見られ始めている。

初めての地震の驚き、訓練ではない初めての災害支援活動の戸惑い。
その中で、地元社協は元来の「自分たちのまちは、自分たちで守ろう!」という
地域への強い愛着や責任感をずっと維持してきた。

職員の方々も震度6強を体験しており、余震の度に、ビクッと体を震わせる人もいる。
無休で働き、疲労もピークに達している。

しかし、そんな中でも少しずつゆっくりではあるが、ひとつひとつの被災者の声を丁寧に聞き
寄り添いながら、徐々に不安や困りごとを取り除こうと地道に活動されている。

やはり、誰でも知らない人に「困った時には他の人に頼っていいんだ」という安
心感を持ったり、身を委ねることへの抵抗感がなくなるまでには、多少なりとも
時間がかかるものだ。

だからこそ、普段からの顔の見える関係づくりが大切なのだと思う。

昨日のミーティングでは、地区社協の方々も加わり、また、20日以降は外部社協
の職員も派遣される。

さらに、地区ボランティアの協力体制も整いつつある。
一部では、「災害ボランティアセンターを設置する・しない」というところに議論
の熱が注がれている気がするが、自分の中では最近ピンとこない。
センターを設置しても形だけのものなら、なんの意味もないからだ。

「被災者の声を聞く」「一人ひとりに寄り添う」「地元が息長く被災者の方々を
見守れる環境を整えていくために、何が必要なのかを一生懸命考えようとする」
そんな視点をもった人がそこにいるか、いないかの方がもっと重要な課題なので
はないか。

そう考えれば、栗原にはそういう人が沢山いる。
この5日間の活動でそのことが少しずつ私自身も理解できるようになってきた。
だからこそ、必ずしも今後は「災害ボランティアセンター」という形にとらわれ過ぎる
必要はないのではないかと思う。

でも、地元のボランティアの受け皿としては、災害ボランティアセンターの「機
能」の部分はとても重要であると思う。

阪神・淡路大震災以降、培われてきたボランティア文化の重要な柱のひとつだとも思う。
また、本来、広いネットワーク力を持ち、地域福祉のスペシャリストであるはずの社協の
役割や動き方についても改めて考えさせられる。

過去の失敗を真摯に受け止める素直さ、そして、恐れずに多くの仲間の知恵をか
りながら、教訓に変えていくことの大切さを実感した。

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